洋裁に対して和服類を仕立てること。元来は裁縫というと和裁を意味していた。和服の裁ち方は、長着、羽織、袴(はかま)、コート、半纏(はんてん)、長襦袢(ながじゅばん)、帯などの種類と、大裁ち、中裁ち、小裁ちの大きさによって異なる。大裁ちは一反を用いてつくり、身頃、袖、衿、衽(おくみ)、襠(まち)などの各部の布を直線に裁つ。幅は並幅または半幅をそのまま使い、印つけによって必要な寸法をとり、残りを縫込みをして、そのままにしておくのが特色である。丈は出来上りに必要な縫い代、絎(く)け代を加えて裁ち、時には揚げ、内揚げ、折返しなどの分量を長く裁って、出来上り丈に仕立てる。今日の和裁は単衣(ひとえ)仕立て、袷(あわせ)仕立てが中心であるが、その他、薄物仕立て、上仕立て、綿入れ仕立て、襲(かさね)仕立て、比翼仕立てなどがある。
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