総模様(そうもよう)

小袖の模様配置の一種。全面に置いた模様をいう。細かい模様を密に置く場合と、上下のある絵画風の大模様を置く場合がある。模様小袖の発達史のうえからは、桃山時代から江戸時代初期にかけて、肩裾模様や片身替り模様に代わっていっそう華やかな小袖として登場した。「松浦屏風(びょうぶ)」「彦根屏風」「京名所図」「四条河原図」などの婦女図および遊楽図には、精緻(せいち)なぬい箔、摺箔(すりはく)、絞りによる総模様小袖が描かれている。またとくに、慶長(1596~1614)のころには、直径15ミリぐらいの細かい総模様がはやり、これを慶長文様とよんだ。

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