季節に応じて衣服を替えること。江戸時代では冬に綿入れ、春秋に袷(あわせ)、夏に単衣(ひとえぎぬ)、盛夏に帷子(かたびら)というように四季の変化に準じて日を定め、いっせいに着替えた。寒暑の差の大きい日本では近年まで重要な衣服管理法であった。古来から引倍木(ひへぎ)といって、一枚の着物を綿入れから単衣の重ね着によって調節することが人々の間で行われていたが、平安時代に宮廷儀礼の世界の中に年中行事として組み込まれた。滋野貞主(七八五~八五二)の提唱した四月と十月の朔日(さくじつ)の儀に始まるという。後世、小袖中心の時代となって衣更えは武家服制から庶民にまで及んでいった。明治以後、洋服でも制服の中に組み込まれ、今日さえ衣服選択に残っている。