間道(かんとう)

経(たて)糸を染め分けて織った縞織物のこと。経糸の色を消さないため密にした経糸で緯(よこ)糸を包み込むように織る。織り技法は簡単だが、複雑な紋織物とは全く異なる新鮮な流動美、しゃれた、明快なリズムの美をもつ。元来、発色のいい染料の豊富な東南アジア、インドあたりで体に巻いて装飾とするサルーン用生地として製織されたものである。日本では細分して仕履(しふく。茶器を入れる袋のこと)などに使ったため同名の間道裂(ぎれ)でも文様の異なるものが多い。<かんとう>の名称は中国の要港広東(カントン)に由来するものであろう。

■関連項目