下町風俗(したまちふうぞく)

明治以降の東京の風俗の一種。下町とは下谷、浅草、神田、日本橋など商人や職人の多く生活している地区で、商人は土蔵をもち、職人は長屋住いが多かった。その風俗は、商人は縞のきもの、角帯、前垂れがけで、主人から小僧までその区別は腰下げ物や羽織の着用以外はないし、職人は半纏(はんてん)、腰掛け、紺股(もも)引きに、麻裏草履と決まっていた。どんなに金持ちでも妻はおかみさんといわれた。性格は一般に明るく人のめんどうをよくみたし、職人間では金銭にあまりこだわりをもたなかった。

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