幸菱(さいわいびし)

有職文様の一つ。単(ひとえ)などに用いる。大小の花菱を組み合わせて、さらに小花菱をはさんで互目(ぐのめ)に割りつけたもの。各花菱の先端が出あうところから<先合い菱>が語源という。鎌倉時代初期の鶴岡八幡宮伝来古神宝に含まれる袿(うちき)の裏に、蝶や鳳凰(ほうおう)による変化に富んだ同文がみられ、室町時代初期、熊野速玉(はやたま)大社伝来古神宝類では、ほぼ今日みる形式が完成した。

幸菱(さいわいびし)

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