宮古上布(みやこじょうふ)

沖縄の宮古島で織られる紺地に絣(かすり)および縞柄の麻織物。夏の高級な着尺地として知られる。この上布は1583(天正11)年、宮古島の与人(部落長)下地真栄の妻の稲石が細綾錆(ほそあやさび。縞織りのことで苧麻<ちょま>の細糸で織った錆色の上布)を王に献上したことを始まりとする。その後、王府と薩摩(さつま)藩貢納布として苦難の歴史を歩み(薩摩上布といわれた)、大正の末になって流行し、第二次大戦後に宮古上布という名称になった。糸は苧麻を原糸として、経(たて)糸が双糸、緯(よこ)糸が単糸、経緯それぞれに地糸と絣糸の四種に分類される。糸染めには泥藍が使用され、絣は手括(くく)りと締め機がある。織機は高機で、仕上がりは織り上がった上布を煮沸し、澱藍が使用され、絣は手括(くく)りと締め機がある。織機は高機で、仕上げは織り上がった上布を煮沸し、澱粉を入れた水で洗い、半乾きのうちに砧(きぬた)打ちし、乾燥してから艷出しの砧打ちを行なう。したがって蝋(ろう)引きしたような光沢となめらかさをもつのである。

宮古上布(みやこじょうふ)

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