献上博多帯(けんじょうはかたおび)

九州福岡でつくられる*博多織の帯のことで略して献上ともいう。江戸時代、福岡藩主黒田家から毎年春三月に特産の博多帯を十筋、将軍家に献上したところから、特殊の柄物帯を献上博多帯と後世いうようになった。現在では帯幅に二筋以上の独鈷(とっこ)縞の入ったのを献上とよんでいる。独鈷というのは真言宗や天台宗などの密教の寺院で用いられる仏具の一つで、博多帯にその独鈷に似ている模様が織り出されているのでその名がつけられている。