衣紋(えもん)

元来は、きものの着付けのことである。平安時代末期、公家の装束が軟(なえ)装束から強(こわ)装束に代わり、布地のかたいこわばったものを、上手に着つける手段が考案されて衣紋道が発達した。それと同様に江戸時代になって小袖を三つ襲(がさね)にして、一つ前に着つけることがおこり、一方、帯の幅も長さも広く長くなるにつれて、これをその人の体に合うように、ひだをとりながら着つけることがおこり、民間でも衣紋を抜いたり、いろいろの作法が考案されて、今日のきもの着付教室につながる。

■関連項目