金襴(きんらん)

紙に漆で金箔(きんぱく)を接着し、それを細く裁断した平金糸、および絹糸を芯にして金箔を巻きつけた撚(よ)り金糸を糸同様に扱って織った織物の総称。唐末および宋初代に始まったと推測されるが、宋・元の時代に盛行した中国固有の織り技法で、中国では織金(しょくきん)と称した。日本にははじめ仏具、袈裟(けさ)として伝来したが、茶道では真行草の形式のなかで行の裂(きれ)として扱われ、書画の表装裂などに用いられ、今日多くの優品が残されている。

■関連項目